トップ > テーマ > 第13回「ロゴタイプを作るという仕事」

第13回「ロゴタイプを作るという仕事」

開催概要

もじもじカフェ第13回「ロゴタイプを作るという仕事」は終了しました。
終了報告 もご覧ください。
日時 15:00〜17:30(開場14:30)
会場東京阿佐ヶ谷
ゲスト成澤正信さん(ロゴタイプデザイナー)
参加費1000円(ワンドリンクつき)

内容

ロゴタイプは,企業名・団体名や商品名などの文字列を,一つのまとまりとしてデザインしたものです。私たちの周りにはロゴタイプがあふれています。ロゴタイプは,頼りがいのある会社,さわやかな飲み物,くつろげる宿…というように,その名前が表わしているものの印象を形作る役割を果たします。

このように私たちの社会で幅広く活躍しているロゴタイプですが,それがどのようにして作られるのかはあまり知られていません。クライアント(依頼者)が求めているものを探りあて,それにふさわしい形を与えるロゴタイプデザインとはどのようなお仕事なのでしょうか。そして,同じく“文字のデザイン”である「書体デザイン」とはどこが違うのでしょうか。

今回は,数多くの企業・商品などのロゴタイプ制作を手がけてこられた成澤正信さんをゲストにお招きし,ロゴタイプ制作の舞台裏を語っていただきます。

ゲスト

プロファイル

成澤正信さん
(ロゴタイプデザイナー)

成澤正信(なるさわ まさのぶ)
東京三宅島生まれ。文字を描く仕事について 38 年。前半は筆,溝引きを使って書籍広告用のゴシック・明朝を朝から晩まで描いていました。後半は Mac,Adobe Illustrator での作業になりました。Macintosh Plus からで,ほぼ同じくらいの年数になります。それにつれ仕事もロゴタイプ,VI(企業のビジュアル・アイデンティティー)の仕事に変わってきました。多くのVI,ロゴタイプ,書体デザインを通していろいろな経験,人に出会えました。

著書に『Macで文字デザイン』グラフィック社(1999),『デジタル文字デザイン 上級コース』実務技能検定協会(2008)。レタリング技能検定 中央試験委員。多摩美術大学 造形表現学部 非常勤講師。JAGDA 会員。

成澤正信さん制作のロゴタイプの例

終了報告

著書を手に説明される成澤さん

前半は,成澤さんが今までに手掛けられたロゴタイプや企業の制定書体をプロジェクターで示しながら,成澤さんの経歴や制作上のエピソードをお話しいただきました。

また,実際の法律事務所のCI(コーポレート・アイデンティティ)のお仕事を例に取り,最初のプレゼンテーションから,クライアントとコミュニケーションを取りながら徐々にロゴタイプをブラッシュアップしていく様子を具体的に説明していただきました。

後半はいつものように会場からの質問に答えていただく形をとりました。

「文字を作ること,描くことに興味を持ったきっかけは?」「書道やカリグラフィーのご経験は」「どういった訓練を積んだら,文字を見る眼が鍛えられるのでしょうか」といった質問から,「『一番搾り』の『一』がとても太い理由は?」など実際のロゴタイプについての具体的な質問まで,成澤さんは気さくに丁寧に答えられていました。

「言葉を形にしていくのがデザイナー」「いろいろな文字を見て感じ,それを言葉にすることが大事」「ラフをグリッドの中に描いてはいけない」といった成澤さんの名言とともに,使われる場所や印刷方式・精度によってロゴを微調整するなど,プロフェッショナルのお仕事の一端が伺える回となりました。

また今回は,成澤さんの最新のご著書である『デジタル文字デザイン 上級コース』も割引販売していただき,サインを求める列ができました。

参加者の声

「すぐに仕事に生かせそうなヒントをたくさん頂戴しました」

「成澤さんのお話しで『自分の作品を他人の目で視る』,『堂々として,伸び伸びと,遊びはいつでも出来る』,『ディスプレーでなく印刷して見ると変なところが見えてくる』,『カット&トライを面倒くさがらずに』,『バランス』,『自分がおかしいと思ったならおかしいのだ』,『一番搾りの一の話』など,仕事の分野を超えてるとともに共感いたしました」

「ロゴタイプの一線で活躍されている成澤さんのお話しが伺えて非常に勉強になりました。私は趣味で描いている程度なのですが,今後参考にしたいと思うアドバイスが多かったです」